みツわの
今回は「みツわの」という舞妓見習いの女の子達を描いたアニメの感想を書きます。
昨今、マニアックな趣味に傾倒するヒロインを描いたアニメが多く作られていますが、
この作品は舞妓という独特な世界を描いている点では珍しいと言えるでしょうね。
花街の宴席で優雅に踊る舞妓については漠然と知っていても、舞妓見習いが置屋で
どのような修行をしているのかまではあまり知られていないので興味がありました。
物語は舞妓見習いの一ノ瀬舞依と四十川翠と菊月莉子の3人をヒロインに据えて、
彼女達が置屋「菊屋」で住み込みながら修行している様子が描かれていきます。
京都を舞台にしているのもあって、京言葉で喋っているところに珍しさがあるかな。
とりあえず、舞妓見習いは踊りの稽古の他に、先輩舞妓のお見送りや食事の用意、
さらにお掃除や洗濯などの雑用などもしなくちゃいけないから大変です。
「お師匠さん。今日もおたの申します。」
舞依達は日本舞踊の師匠のところに出向いて宮川音頭の指導を受けます。
舞妓の試験でも踊ることになるので、とても重要な稽古といえそうです。
現時点では莉子が一番実力があって、舞依と翠はまだ未熟さがあるみたい。
あと、舞依達が外を歩いている時に花街の街並みの様子が見られるのですが、
こういう和風情緒にあふれる京都らしい背景描写もとても印象に残りました。
「一葉さんが声をかけてくれなかったら、舞妓になろうなんて思わなかった。」
舞依が舞妓を目指すようになったキッカケが回想シーンとして描かれていました。
どうやら修学旅行の時に出会った舞妓姿の一葉に惹かれたのが理由らしい。
まぁ女の子なら綺麗な着物姿の舞妓さんに憧れるのはありえる事でしょうね。
それに舞依のような京都以外の出身者なら、京都ならではの古い伝統や文化に
魅力を感じやすいというのも大きいかもしれません。
「誰が選ばれても恨みっこなしで頑張ろう。」
祇園祭中に観光協会主催で踊りの発表会が催されるという話が舞い込みます。
菊屋からは舞妓見習いの2人が出られるのですけど、そうなると舞依達3人の中で
1人が必然的に出られないわけだから複雑な気持ちになるというものですね。
後半ではこの発表会の件によって3人の関係に波風が立ってきます。
「もっと練習して2人に追いつかないと・・・・・・。」
莉子は踊りが上手いのでほぼ当確として、残る1枠を舞依と翠の争いになりそう。
そこで翠は舞依との競争を意識するあまりに滑らかな踊りが出来なくなりました。
練習をすればするほど上手く踊れないという悪循環に陥っていたところを見ると、
彼女の場合は自分を追い込みすぎたり、気負いすぎると良くないみたいね。
ある意味、真面目過ぎる性格なのかもしれません。
舞依と莉子はそんな翠の事を心配して声をかけますが、翠は2人の誘いを断って
自主練習を続けていたから困ったものです。
ここで舞依と莉子の2人と翠との間に少し距離が出来てきたのが気になりました。
「お、お母さん。うちらの踊りの発表会のことなんですが・・・・・・」
莉子が女将さんの孫娘である事が明らかになっていましたけど、舞妓見習いは
女将さんの事を「お母さん」と呼ぶ決まりになっているようです。
とりあえず莉子が踊りが上手いのは女将さんの孫娘というのもあるのかも。
「踊りの発表会の事なんですけど、どうしても2人じゃないとダメですか?」
舞依は3人がバラバラになるのに耐えかねて女将さんに直談判します。
ここで女将さんから3人が発表会に出なくちゃいけないと聞かされるわけですが、
どうやら舞依達が勝手な思い込みをしていただけだったみたいだ(苦笑)
これなら早く女将さんに確認した方が良かったですね。
単発アニメなのでキャラの性格や生い立ちなどは分からないままなのですけど、
3人がこの1件でギクシャクしたお陰である程度は性格が把握できた感じがします。
まぁもしこれが1クールのTVアニメだったら、翠はもっと闇落ちしていたと思うけどね(笑)
「綺麗やで♪3人とも♪」
「おきばりやっしゃ。」
「へぇ。」「へぇ。」「へぇ。」
最後は3人がおしろいを塗った素敵な着物姿を披露してくれていました♪
まだ舞妓見習いとして忙しい修業の日々が続くとは思いますが、いつの日にか
一葉や志乃のような立派な舞妓に3人一緒になれると良いですね。
ED曲は、堀江由衣さんが歌う「この場所で」です。
映像では舞依達3人が息の合った踊りをしている姿が描かれていました。
この分なら、3人が舞妓になれるのはそう遠くないような感じがします。
彼女達が舞妓になった後の活躍も見てみたいなぁっと思いました。
★総評★
京都で舞妓を目指す3人のヒロイン達の友情物語を描いていた作品でした。
既存のアニメでいえば「花咲くいろは」に似たような印象を持ちました。
単発アニメなのでキャラの掘り下げや舞妓の修行活動を深く描いていませんけど、
一応それなりに表面的には理解できるように作られていたのではないでしょうか。
キャラのやり取りや作品の内容など全体的に良い印象を持ちましたので、できれば
1クール程度のTVアニメとして見てみたかったように思います。
アイキャッチ♪
一葉先輩と志乃先輩の舞妓姿♪
舞依と翠と莉子の着物姿♪
おしろいと紅で化粧をすると、一瞬誰が誰なのか見分けがつきませんでした(^ω^;)