サンゴ礁伝説 青い海のエルフィ - アニメとゲームと恋の楽園
2018/02/04

サンゴ礁伝説 青い海のエルフィ

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(C)NIPPON ANIMATION CO., LTD. 1986

1人の少女が自然保護と平和の大切さを伝える物語

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今回は「サンゴ礁伝説 青い海のエルフィ」というアニメ作品の感想を書きます。
30年以上前に制作されたアニメのために作画などに古さを感じたりしますけれど、
内容面では環境問題や資源を巡る紛争などを描いていたりしていて、今現在の
リアルな世界問題にも通じるものがある作品になっていると思います。
私はサンテレビで3年ほど前に放送された時に見たのですが、少しずつ物語に
引き込まれていって、最後は心に染みるほど感動した記憶が残っています。


物語はエルフィという主人公の女の子が幼なじみのアルカスという少年と一緒に
ウォーターバイクみたいな乗り物に乗って海で遊んでいるところから始まります。
2人がネプチューンの街の水路を駆け巡ったり、海の中を潜っている様子を見ると、
周辺を海に囲まれた海洋都市に住んでいるといったところでしょうか。
ただ海中にも建物があったりして、かなり文明の発達した世界である事が伺えます。

あとエルフィーが海の中で溺れそうになった時に髪が青色に変わったのが注目です。
彼女がただの人間ではないことが示されていました。
そうなると、彼女の正体がいったい何者であるのかが気になるところですね。

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「私の故郷ってどこかしら・・・・・・?」
「ネプチューンのどこかだよ。」
エルフィとアルカスは幼い頃にネレウスという老人に拾われて育てられてきました。
それゆえに幼なじみというよりも実の兄妹のようにとても仲が良いです。
このように朝から晩までいつも一緒に遊んだりしながら過ごしているのでしょう。

あとネレウスがエルフィの正体について知っていそうでしたが、なるべく彼女には
正体を知ってほしくないような素振りだったので気になりました。
これはエルフィの正体が1つのポイントになっているのは間違いありません。
そういうわけで、前半ではエルフィの正体に迫る形で物語が進められていました。

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「たとえどんな事があろうとも、海を汚してはならないのじゃ。」
「ネレウス殿。確かに海を汚すことは良くない。だが我々が生きていくためには、
ある程度は仕方がないのではないかな?」

ネプチューン国の指導者達が会議で話し合っている内容も重要ポイントでした。
カリスマという人物が旗振り役となって海洋開発を推し進めようとしているのですが、
ネレウスがそれに伴う海洋汚染の問題を持ち出して反対しようとしていました。
確かに豊かな生活をしていくためにはカリスマの考え方も一理あるのでしょうけど、
もし過剰な開発を続けると自然や生物に影響を及ぼしそうだから不安ですよね。
それに資源を巡って他国との対立なんかも危惧されるから心配でした。

ここでは人間の限りない欲求や自然破壊、領土拡大による周辺国との軋轢など、
リアルな現代社会の問題を上手く取り入れて作られているなぁっと思いました。

それゆえに今見てもそんなに古さを感じさせないところがあります。

「あなたは誰?」
あと、エルフィが海洋牧場の警備員に襲いかかる謎の人物と出会うのもポイント。
彼が青い髪をしていたので、エルフィと何か繋がりがありそうな予感をさせました。

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「辛い旅になるかもしれんぞ。」
「平気。私、どうしても行きたいの。」
エルフィとアルカスはネレウスの海洋調査に同行させてもらうことにします。
船内から見える海中の美しい光景に感動したり、海洋牧場の開発で破壊された
海底の姿に悲しむ様子から、2人は自然を愛する心の持ち主なのでしょう。
自然保護活動をしているネレウスに育てられてきただけのことはあるかな。

「どうして?どうして苦しくないの?私、やっぱり・・・・・・」
エルフィとアルカスは船外で海藻を取り除こうとしている時に大きな魚に襲われますが、
この時にまたもやエルフィのマスクが外れて髪の色が青く変わっていました。
海中でも呼吸が出来ていたので、普通の人間とは異なっているのは確かですね。

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「行っちゃいけない。これ以上行っちゃいけない・・・・・・(汗)」
さらにエルフィが海底に水没したムー大陸の遺跡を見た時に頭痛を引き起こします。
こなると、さすがに彼女は自分の特異な性質に疑問を持つというものでしょう。

ネレウスはもう隠しきれないと思ってエルフィを拾った時の事を語ってあげます。
ネレウスはエルフィと母親が海辺に流れ着いているのを発見した時に、彼女の
母親はすでに亡くなっていたために、エルフィを拾って育ててきたようです。
失われたムー大陸とか海の民についての話を聞くと、エルフィがその末裔である
可能性は高そうでした。
人間の自然破壊による異常気象によってムー大陸が水没したことや、人魚伝説や
竜宮伝説がムー大陸に関連しているという設定はなかなか面白みがあります。

「私、人間じゃなかったの・・・・・・(涙)」
エルフィとしては自分がアルカスやネレウスと違う人間だったことがショックでした。
ずっと本当の家族のように一緒に暮らしてきたわけだから無理もありませんね。
ネレウスが真実を知れば辛くなると忠告したのはこの事だったのかもしれません。
ただ、ネレウスがエルフィに自分の大切な孫だと言ってあげていたのは良かった。
これでだいぶエルフィは慰められたように思います。

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「同胞諸君!よく見るがよい!こやつが人間でない証拠を!」
カリスマはネレウスとエルフィを海洋牧場の開発を妨害した罪で逮捕します。
自分の政策に反対する者を強引に排除しようとするのだから悪どい奴です。
さらに裁判ではエルフィを敵国のスパイだと決めつけて有罪にしたり、他国からの
侵略の危機感を煽って開戦へ導こうとしたりと、まるで帝国の独裁者みたいだ。
しかし、これでネプチューンの人々が一気に戦争をする気持ちに傾いていたため、
かなり不穏な空気が漂ってきていました(汗)

「海は全ての命なんです!戦争なんてやめて!海を守ればいいんです!」
エルフィが傍聴人に自然保護を訴えかけるものの、もはや誰も聞く耳を持ちません。
しかしそんな中でもアルカスをはじめ、エルフィを助けようとする協力者がいたので、
まだまだ希望を捨てるのは早いといったところかな。
特にアルカスがエルフィの事を同じ人間だと慰めてあげていたからとても優しい。
それに妹じゃなくて良かったと言っていたところも注目でした♪
アルカスがエルフィに想いを寄せるほどに意識している事が伝わってきます。

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「戦争をしちゃいけないわ。殺し合いをやめて。逃げるのよ。」
エルフィは水棲人達を説得しに行きますが、こちらも全く聞き入れてくれません。
水棲人もまた自分達の住む海を守るために戦争をしようとしていたから心配です。
もうこれは戦争が避けられそうにない雰囲気になっていました(汗)

あと、水棲人達が口ではなく心で話し合う特徴があったのですが、それゆえに
地上人と水棲人ではなかなか通じ合えないということも示されていました。
これは話し合いで解決しにくいリアル社会の問題点を反映している感じがします。

「殺し合いはやめて!戦う必要なんてないのよ!誰も侵略なんてしていないわ!
陸の人達も話し合えば分かり合えるのよ!」

「ええい!黙れ黙れ!そんな小娘の言葉に惑わされるな!攻撃開始!」
地上人と水棲人の軍隊が対峙し合って戦いの火蓋が開かれようとしていた時に
エルフィが両陣営の間に割って入って必死に訴えかけをしていたから素晴らしい。
あとは彼女の心からの願いが両陣営の人達に届けばいいのですけどね・・・・・・。

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「なぜ!?なぜ私を助けようとした!?」
「話し合うのよ・・・・・・。言葉が通じないのなら、時間をかけて理解し合えば・・・・・・
おねがい・・・・・・殺し・・・・・・殺し合わないで・・・・・・。」

エルフィが狙撃されそうなカリスマを守ろうとした時に流れ弾に当たってしまいます。
瀕死の重傷を負いながらも最後まで話し合いを呼びかけていたので胸が熱くなる。
彼女は本当に自然と平和と人々を愛する綺麗な心の持ち主だなぁっと思います。

「我々は海を守ろうとしただけなんだ。別に君達を殺そうなんて思っていない。」
「許してくれ・・・・・・許してくれ・・・・・・(涙)」
さすがに両陣営のリーダー達もエルフィの命懸けの行動に胸を打たれていました。
自分達の過ちを悟ってくれたし、兵士達も武器を手放してくれたので良かったです。
まさにエルフィのお陰で戦争の危機を回避できたと言えるシーンでした。
これで地上人と水棲人がお互いに誤解を解いて仲良くなってくれそうな予感がします。

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残念ながら、最後にエルフィの命が潰えて海の泡となって消えてしまったのが悲しい(涙)
アルカスは仲良く過ごしたエルフィを失ったことでショックを受けそうだから心配です。
しかし、いつまでも嘆き悲しんでいるわけにはいかないかもしれませんね。
これからはアルカスがエルフィの意思を継いで、彼女の望んでいた平和で美しい海を
大切に守り続けていってもらいたいなぁっと思います。

ED曲は、種ともこさんが歌う「Mermaid In Blue」です。
この作品のテーマに合った素敵な曲だと思います。

★総評★
海洋汚染などの自然破壊とか、資源獲得のための他国との領土紛争、さらに
飽くなき欲求による人類のなりふり構わない行動など、リアルな世界の問題を
上手くファンタジーの世界に反映させて作られていた
ように思います。
それゆえに小中学生くらいの視聴者にも分かりやすく、自然保護と世界平和の
大切さを伝えることが出来ていたのではないでしょうか。
過去の過ちを教訓にして学ばなければならないというメッセージ性も感じましたし、
教育的にもとても良いアニメ作品だなぁっという印象を持ちました。


アニメの作風としては昔のジブリ作品なんかに近い雰囲気だと思います。
おそらくナウシカ辺りを意識して作られていそうだなぁっという感じがしました。
ラストに悲しい結末を迎えて終わるとは思わなかったので意外でしたけどね。
それが逆に心に刻まれるほどの深い印象を与えてくれたように思います。
私の中では記憶に残るアニメ作品の1つです。

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